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春キャンプが終わって~学校をそつぎょうしたみなさんへ

●春キャンプが終わって~ 学校を卒業したばかりの、みなさんへ

春のキャンプは、学校を卒業したばかりの人がたくさんいました。今はもう中学生、高校生ですね。
新しい学校では、「○○しないといけない」ことが増えたと思います。勉強、制服、決まりごと、ことば使い・・・。
「しないといけないこと」の中には、「やりたくないな」と思うこともあるかと思います。
「しないといけないこと」と、「自分がやりたいこと」は違います。その違いを、自分でしっかり考えて、分けてみてください。

こどもキャンプは「自分がやりたいこと」を、いちばん大切にしています。できるだけ、それを大切にしてきました。
「しないといけないこと」が急に増えて、「しないといけないこと」ばかりになると、「自分がやりたいこと」がわからなくなります。考えられなくなります。
でも、「やりたいこと」を考えて、「やりたいことをやってみる」ことも大切だと思います。

「しないといけないこと」のために、「やりたいこと」ができない!!というときは、
まず、自分に、身近な誰かに「これをやりたい」と言葉にして、言ってみてください。その言葉をだれかが聞いて、協力してくれます。
そして、小さなことでいいから、やりたいことを「やってみて」ください。だれかがきっと、理解してくれます。

中学・高校は、勉強や部活が忙しくなると思います。勉強や部活が楽しいなら、それはとってもいいことです。
でも、勉強や部活もあるけど、「こどもキャンプにも行きたい」と思ってくれたなら、キャンプにもまた来てください。
勉強や部活が「絶対に休んではいけないこと」かどうかは分かりません。
ちょっと休んで、キャンプには行きたいと、もし思ってくれたなら、誰かに言葉にして伝えてみてください。
こどもキャンプは中学生になってもみなさんを待っているし、高校生になってもスタッフとして待っています。
春のキャンプにも、高校生のスタッフが3人もいて、中学生も何人も来ていましたよね!

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●中学・高校生の、秘めた凄い力

今回のキャンプ、中学3年生が大活躍でした。ツリーハウスづくり、最初はスタッフが作業工程、作り方も主導するつもりでしたが、途中からほとんどスタッフは口出しせず、彼らが自分たちで考え、作業も進めてくれました。
家づくりなんてやったこともないであろう彼らが、柱をどう立てるか、梁をどういれるか、屋根をどうつけるかまで自分たちで考え作ってくれました。その出来も、本当にしっかりとした、すばらしいものでした。
時間が足りず完成はしませんでしたが、土台、柱、梁、屋根の一部まで作ってくれたので、来年のキャンプは壁を張るところからスタートできます。壁は低学年の子どもでも出来るし、絵をかいたり、デザインを考えたり、とても楽しい作業になります。

中学・高校生活は学校・勉強・部活が中心になると思います。小学生時代より時間の余裕も少なくなり、中学進学を機に、キャンプに参加できなくなる子もたくさんいます。
そのことについて、いつも寂しく思うとともに、「残念」で「もったいないな」とも思っています。
今回の中学3年生のように、中学生・高校生には、すごい「潜在能力」のようなものがあると考えています。普段の
学校・家庭生活では、同学年集団、親子(家族)関係という環境の中で、子供っぽさばかり目につくかもしれませんが、キャンプのような異年齢、大人もたくさんいる中で、役割やチャンスがあれば、普段は発揮しない力を見せてくれます。
中学生・高校生には、学校や日常生活だけでは開拓されない、力と可能性をみんな持っていると思います。

以前、高校一年生の私の姪っ子がキャンプにスタッフで参加してくれました。普段は末っ子で甘えっ子、家族が居ない宿泊は初めて、キャンプ前日は不安で家族に泣き言を言っていたそうですが、いざキャンプに来たら周囲が「本当に高校生?」というほどスタッフとしてしっかり働き、大学生や社会人ともしっかりと関わっていました。
ふだんの「幼い姪っ子」ぶりを知っている叔父の私は(笑)、その変貌ぶりに内心びっくりしていました。(しかし、姪っ子の両親である兄夫婦には、その姪の姿をうまく伝えられず、もどかしいのですか・・・)
今回のキャンプにも、3人の高校生がスタッフとして参加してくれました。過去にも何度も参加してくれ、もうスタッフの主力として活躍してくれています。そのうち2人は小・中学校時代に、こどもキャンプに「参加者」として参加してくれていた子たちです。

学校・勉強・部活、そして受験。大切なことです。でも、中学・高校生には、それだけでは発揮されない別の能力を秘めていると思います。
その能力を発揮するには、学校や勉強、部活という環境だけでは難しいのかもしれません。
でも、いろんな年齢の人間が集い、いろんな大人たちと出会え、普段できないこと、役割を、しっかりと責任もって任せてもらえる、この「こどもキャンプ」には、彼らの潜在能力を発揮できる環境があると思っています。

こどもキャンプは年3回、10日間。一年365日のうち、ほんの一部の10日間。
普段の学校中心の生活を離れ、普段発揮できない力が開拓されるかもしれない「こどもキャンプ」に引き続き参加してほしいと、心から思っています。彼らとこれからも、参加者として、そしてスタッフとして、関わってゆけることを夢想しています(笑)

                              
こども・わらずキャンプ楽会 代表/渡辺和浩


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