こどもキャンプとは
こどもキャンプがどのようなものなのか、実例で紹介します。
以下は、2014夏キャンプ2~3日目(会場/東京都奥多摩町周辺)のタイムスケジュール表です。
プログラムの考え方・進め方
同じ時間帯に、複数のたくさんのプログラムが並んでいます。
これらは、一つ一つ順番に全員で行うのでなく、同時間に同時進行で行われます。
つまり、一つのプログラムを全員で行う、学校の授業方式の進め方はしません。
①まずスタッフが、こどもと一緒にやりたいプログラムを考え持ち寄る。
②当日各スタッフが、準備したプログラムをこどもに伝える。
③子どもは、自分がやりたいことを考え、決めてそれに参加する。
④スタッフが準備したプログラムにやりたいことがない、別のことをしたいこどもは、それもOK。自分で考え決めたやりたいことをスタッフに提案し、行う。スタッフもそれに適宜対応する、
すると、この表のように、一つの時間帯に沢山のプログラムが並ぶ スケジュール表が出来あがる。
つまり、こどもの主体性、自主性、「自分で考え、決め、実行する事」にこだわります。
このプログラムの考え方では、参加したこどもの中に『問題児』(落ちこぼれる、はまらない)という存在や捉え方は生まれません。つまり、
・一つのプログラムを全員参加で行う(学校の授業方式)
⇒はまらない・やりたくない子は、『落ちこぼれ』『問題児』的存在に。
・こどもキャンプ形式
⇒はまらない・やりたくない子は、『自分のやりたいことを自分で考えられ、求める子』であり、問題児ではない。
個別性、多様性を大切に、やりたいこと、自分の気持ちを重視する集団では、問題児という考え方は生まれません。
「自分の好きな事だけやっていては、こどもに良くないのでは・・・」と思われるかもしれません。
でも、自分で『考える』『見つける』『実行に移す』『やり切ってみる』ことを大切にすると、こどもたちは普段目にすることのないようなパワーが発揮されます。そしてそのことが、一人ひとりの心身の解放につながると考えます。
生活①・・・『自分』のことは、自分で行う
自分で食べた食器の後片付け、自分の洋服や荷物の整理・管理など、自分の生活に必要な事は基本的に自己管理。自分で責任を持って行う事を基本としています。 もちろん、これまでそういった経験の無いこどももいますから、スタッフは必要に応じて適宜、最小限の援助はしますが、いずれ自分で行えるようになるためのステップとしての、支援と考えています。
生活②・・・『自分たち』のことは、自分たちで行う
食事作り(一日三食すべて)、会場の清掃、大きな物品や使った物の片付け等、自分にも必要だけれども皆にも必要、そして一人ではできないこと。これは自分という個人を離れ、『自分たち』という周囲の皆との集団にとって必要な事になります。 こういった『自分たち』のことは、自分たちの共同作業として、皆で協力して行います。
こうして、個別性、多様性を大切にし、個人を大切にしつつ責任も持ち、でも共に過ごす周囲のメンバーとも協力し合いながら過ごす。こどもキャンプの数日間は、個人と集団、自主性と協力することを、皆が心地よく行うための『疑似共同体』のような時間だと考えています。