当会について

『こども・わらずキャンプ楽会』のスタッフの中心メンバーは、2011年3月11日の東日本大震災直後から、宮城県気仙沼市に長期間ボランティア活動のため滞在していた者です。
気仙沼での活動中に出会い、気仙沼の子ども、保護者の支援の必要を実感し活動を開始、2011年7月から2012年11月まで気仙沼市や隣接の岩手県一関市で2~4泊の宿泊キャンプを9回、日帰りの行事を10回行いました。
自然豊かな森、海をフィールドにした活動は、被災生活の続く子どもたちの心身解放となり、保護者の方々への支援、一時の休息を提供していたと思います。
時間の経過と共に、現地での支援のニーズの変化、遠隔地在住のスタッフの負担(活動のたびに気仙沼へ、自己負担で往復を続ける)もあり、活動内容の再考が必要となりました。
子どもたちとの関係・活動を継続したいという想いで考える中、これまでの経験を活かしつつ、子どもたちへの新たな機会の提供として、以下のような活動を考えました。

●活動フィールドを関東近郊に移し、自分たちの住む、知る街だけでなく、まだ見ぬ知らない風景を体験できる活動。
●人との出会いも『気仙沼や被災地の子ども』と『震災のボランティア』だけでなく、遠く離れた街に住む、子どもと大人と出会える活動。

関東近郊に子どもたちを招待し、これまでと同様の自然の中で心身の解放とともに、他地域の子どもとの出会いの場づくりを目的とした新しい活動を、2013年4月よりスタートしました。

当会の趣旨

「努力」は「夢中」に勝てない!!
自分が夢中になれることなら、しんどい事も努力も、苦にならずできる。夢中だからこそ、苦も努力もしながら進んでゆける(でも本人は、苦や努力とも思わず)。
●「やりたい」「楽しい」「すてき」なことを自分で考え決める。
夢中になるためには「自分がやりたいと思える」こと。それを自分の目で見て、考え、決めてゆくこと。「楽しい」「すてき」と思うことを、自分で作ってゆくこと。
●自分で決めた「やりたいこと」を、納得するまでやってみる。
結果はともかく、自分の心と体と頭をフルに使って、実践してみること。

子どもにとって必要な経験、心、感受性ついて、当会ではこう考えています。(被災地とか、被災地でないとかに関わらず)
これは、東日本大震災の宮城県気仙沼市での支援活動をスタートとし活動を続ける当会の財産(『当会について参照』)でもあります。
被災地の現状を知り、その子どもたちと出会い、共に過ごす中で培った考え方です。

被災地のこども達の現状

宮城県気仙沼市は震災の津波・大規模火災で街全体が甚大な被害を受けました。
そして、震災から4年がたった現在、被災地では復旧・復興がなかなか進んでいません。

・宮城県気仙沼市の災害公営住宅(震災で家を失い、自力での再建が困難な人のための賃貸住宅)は、計画戸数のうち工事が完了した物はわずか8.6%。 ※2015年4月30日現在)
・小中学校校庭に建つ仮設住宅(2校に1校の校庭は仮設住宅が並び、使用不可)の撤去率は0%。 ※2014年9月現在)

震災からの復興は、10年20年、それ以上の時間がかかる。
そして、今の子どもたちは、復興しないままの街、その風景を見続けながら、大人に成長するまでの時間を過ごすことになる。
気仙沼を始め被災地のこどもたちは、今のままでは、破壊される(壊れる)というのが原風景で、そこから変わらない(復興しない)というのが原体験、という、こども時代になってしまう。

被災地のこどもに必要な支援・経験

この現状から、被災地のこどもに必要な支援として、以下のように考えました。
●震災を『負の記憶』だけにしない

「震災を機に、新しい体験、思い出を作る機会と出会えた」と思える活動。

●前向きな将来、夢や目標を考えられる機会づくり

『夢』『目標』を実践・実現している大人、場所と出会い、「変わらない」という原体験を「変えてゆける」と思えるような機会にする。
※キャンプ地の選定⇒ 山地酪農、ツリーハウス作り、地域活性活動等、実際に『夢』や『目標』を実践・実現している場所を会場とする。そこで活動する人と実践を体感できるプログラムを行う。

自分の手で作る力・可能性を感じることのできるプログラム。

壊れる(破壊されてしまう)という体験を、でも自分で新しく作ってゆける、そういう力がある、と思える機会に。 ※プログラム⇒ 直火、かまど、羽釜を使っての食事作り。鋸、鉈、ドリルなどを使った物作りプログラム、自分で釣竿を作っての釣り、などなど・・・

これには、『今、周りにある物、目に見える風景、考えられることがすべてではない。今自分の周りにない物や風景も、自分たちで作り、変えてゆけるはず』という、こどもたちへのメッセージが込められています。
そして、何かを『生み出す』『作り出す』力の源泉は、『好き』と『やりたい!!』という気持ち。
冒頭に書いたように『努力は夢中に勝てない』。自分で好きなやりたいことを考え、見つけ、決め、夢中に取り組むことが大切だと考えます。

またこのことは、被災地以外のすべてのこどもにも必要なこと、支援とも考えます。
現在のこどもたちが暮らす学校、地域、社会では、外から与えられる知識・学力を覚える『努力』、外から与えられる道徳・価値観を身に着ける『努力』を求められる。外から与えられる遊び(ゲーム等)・情報(携帯、ネット等)にあふれ慣れ親しみ、自分で作りだす遊びや楽しみの経験が少ない。
自分が本当にやりたいこと、楽しいことを考える余裕ない中で、楽しみを与えられ、自分に本当に必要なこと考える余裕ない中で努力を求められる。
自分で見て、考え、決めてゆく余裕と時間。本当に必要なこと、楽しいことを見つけ選ぶ感覚を研ぎ澄ますこと。そして自主的、内発的に自分で始め『夢中になって取り組む経験』。
こういったことが、全てのこどもたちにとって必要であり、貴重な体験になると考えます。
それを実現できる場として『こどもキャンプ』等の活動を続けてゆくことを、当会の趣旨としています。